ICFコーチング資格|ACC・PCC・MCCの取得条件と申請経路

ICF(国際コーチング連盟)の個人資格は、ACC、PCC、MCCの3段階です。名称だけでなく、必要なコーチング教育、実践時間、クライアント数、メンターコーチング、実技評価、試験が段階ごとに異なります。

最初の申請なら、一般にはACCから条件を見ます。ただし、すでに十分な教育時間と実践時間がある人は、PCCの条件を満たす場合があります。このページでは、2026年8月2日時点のICF公式申請条件を基準に、3資格と申請経路の違いをまとめます。

ICF個人資格の3段階

ACCはAssociate Certified Coach、PCCはProfessional Certified Coach、MCCはMaster Certified Coachの略称です。順に必要な教育時間と実践時間が増えます。MCCは、現在または過去にPCCを保有していることも条件です。

  • ACC:コーチとしての基礎的な教育と実践経験を示す最初の段階
  • PCC:より多い教育時間とクライアント経験を求める中位の段階
  • MCC:PCC保有歴と豊富な実践経験を求める最上位の段階

3資格は、講座を修了しただけで自動的に付与される名称ではありません。教育、実践、メンターコーチング、実技評価、試験など、自分が選ぶ申請経路の要件をそろえてICFへ申請します。国際資格の位置づけを先に知りたい人は、国際コーチング資格の比較も参考になります。

ACCの取得条件

ACCにはLevel 1・Level 2 PathとPortfolio Pathがあります。ICF認定のLevel 1またはLevel 2プログラムを全課程修了した人は、修了証を教育の証明として提出します。Portfolio Pathでは、CCEまたはICF非認定プログラムによる60時間以上のコーチング教育を示し、非認定教育についてはカリキュラムも提出します。

どちらの経路でも、コーチング経験は100時間以上、そのうち有償75時間以上、クライアント8人以上です。さらに、申請前18か月以内の経験が25時間以上必要です。教育修了から申請まで間が空く人は、総時間だけでなく直近の実践時期にも目を通してください。

Level 1・Level 2 Pathでは、メンターコーチングと実技評価がプログラム内に含まれます。Portfolio Pathのメンターコーチングは合計10時間で、3か月以上にわたり、1対1のセッションを3時間含めます。担当できるのはPCCまたはMCC、もしくは一度以上更新したACCです。Portfolio Pathでは録音したコーチングセッション1件と文字起こしも提出します。Level 1・Level 2 PathとPortfolio Pathのどちらも、ICF ACC Examの合格が必要です。

PCCの取得条件

PCCにはLevel 2 PathとPortfolio Pathがあります。Level 2 PathはLevel 2プログラム全課程の修了証を提出します。Portfolio Pathでは125時間以上のコーチング教育を示します。

コーチング経験は500時間以上、そのうち有償450時間以上、クライアント25人以上です。申請前18か月以内の経験は50時間以上必要です。ACCの実践条件を満たした後も記録を続けると、PCCへ進む時に期間と人数をたどりやすくなります。

Level 2 Pathでは、メンターコーチングと実技評価をプログラム内で終えます。Portfolio Pathでは、PCCまたはMCCによるメンターコーチング10時間を3か月以上にわたって受け、1対1のセッションを3時間含めます。録音セッション2件と文字起こしも提出します。Level 2 PathとPortfolio Pathのどちらも、ICF Credentialing Examの合格が必要です。

MCCの取得条件

MCCは、現在PCCを保有している人、または過去にPCCを保有していた人が申請できます。Level 3 PathではLevel 3プログラム全課程の修了証を提出し、Portfolio Pathでは200時間以上のコーチング教育を示します。

コーチング経験は2,500時間以上、そのうち有償2,250時間以上、クライアント35人以上です。ACCやPCCと比べて経験時間が大きく増えるため、短期間で取得する資格というより、実務を積み重ねた後の段階として考えるのが自然です。

Portfolio Pathのメンターコーチングは、MCCによる10時間を3か月以上にわたって受け、1対1のセッションを3時間含めます。MCCではLevel 3 PathとPortfolio Pathのどちらも、録音セッション2件と文字起こしを提出し、ICF Credentialing Examに合格します。

申請経路の違い

申請経路を決める軸は、受けた教育がICF認定プログラムの全課程かどうかです。ACCのLevel 1・Level 2 PathとPCCのLevel 2 Pathでは、メンターコーチングと実技評価をプログラム内で終えます。MCCのLevel 3 Pathではメンターコーチングをプログラム内で終えますが、録音セッション2件と文字起こしは別に提出します。一方、Portfolio Pathでは、教育の証明、メンターコーチング、録音、文字起こしなどを申請者が個別にそろえます。

「認定講座ならすべて同じ経路」とは限りません。ACCはLevel 1またはLevel 2、PCCはLevel 2、MCCはLevel 3が対応します。講座名だけで決めず、取得を目指す資格とプログラムの認定レベルを見比べることが大切です。手順全体はコーチング資格の取り方でも整理しています。

コーチング経験の記録

ICF申請では、実践時間の合計だけでなく、有償時間、クライアント数、直近の実践期間が要件になります。ACCとPCCでは申請前18か月以内の時間も定められています。セッション日、クライアント識別情報、実施時間、有償か無償かを継続して記録すると、申請段階で集計し直す負担を減らせます。

研修内の練習がすべてクライアント経験として数えられるとは限りません。教育時間とコーチング経験は別の要件なので、講座の学習記録とセッションの実践記録も分けておきます。勤務先での社内コーチングを記録する場合は、ICFの経験要件での扱いを申請時の案内で確かめてください。

資格更新の条件

ACC、PCC、MCCは取得後も更新が必要です。ICFの更新案内では更新周期は3年で、各周期に40 CCEクレジットを修了します。3資格とも40 CCEのうち24クレジット以上をCore Competenciesに充て、その中にコーチング倫理3クレジットを含めます。ACCでは、24クレジットの内訳にメンターコーチング10時間と、その他のCore Competencies 11クレジットを含めます。残りの16クレジットはCore CompetenciesまたはResource Developmentです。ACCの合計も40 CCEであり、メンターコーチング10時間を別に加えるわけではありません。

取得時の条件だけで講座を選ぶと、更新学習の時間と費用を見落としやすくなります。資格を長く維持する予定なら、CCE対象講座の受けやすさ、メンターコーチを探す方法、更新申請料も含めて考えます。

取得費用の内訳

ICF資格の取得費用は、ICFへの申請料だけでは決まりません。主な内訳は、コーチング教育の受講料、メンターコーチングの料金、録音や文字起こしの準備費、ICFへの申請料、取得後の継続教育費と更新申請料です。

申請料は会員区分と資格段階で異なり、ACCとPCCでは申請経路によっても異なります。MCCのLevel 3 PathとPortfolio Pathは同額です。料金は改定されることがあるため、このページでは変動する金額を固定せず、申請直前にICFの料金表を確かめる前提とします。費用を比べる時は、ICF認定資格の取得費用で総額の構成も見てください。

日本で講座を選ぶ順序

  1. ACC、PCC、MCCのどこを目指すか決める
  2. 必要な教育時間と実践時間を把握する
  3. 講座のICF認定レベルと全課程の範囲を確かめる
  4. メンターコーチングと実技評価が受講料に含まれるか見る
  5. 申請料、更新、継続教育まで含めた負担を見比べる

講座の知名度だけでは、希望する資格への申請経路は決まりません。たとえばCTIのコーチング資格のように、スクール独自資格とICF申請に使う教育課程を分けて読む必要がある講座もあります。複数団体を比べるなら、コーチング資格の種類から団体、学習方法、用途の違いを見渡せます。

申請前のチェックリスト

  • 目標資格に対応する認定レベル
  • 教育時間と欠席時の補講条件
  • メンターコーチングの実施方法
  • 実技評価と録音提出の範囲
  • 実践時間とクライアント数の現在地
  • 受講料以外に必要な申請費と更新費

英語の申請案内は更新されることがあります。申請経路、必要書類、試験、審査期間、料金は、手続きの直前にICF Credential Application| Start Your Certification Journeyで確かめます。更新条件はRenew Your ICF Credential | Stay Certifiedを参照してください。

資格選びの結論

ICF資格を初めて目指す人は、まずACCの100時間の実践条件と、自分の教育がLevel PathとPortfolio Pathのどちらに当たるかを押さえます。PCCは500時間、MCCは2,500時間の経験が必要なので、講座を選ぶ前に現在の実践記録との差を数えると、無理のない計画を立てやすくなります。

資格名だけで決めず、教育、実践、メンターコーチング、実技評価、試験、更新の6点を順に見てください。自分の現在地と目標資格がつながる申請経路を選ぶことが、遠回りを減らす出発点です。